日 時 | 2012年06月26日(火) 12:20 より 13:20 まで |
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講演者 | 郷田直一 先生 |
講演者所属 | 生理学研究所・感覚認知情報研究部門 |
お問い合わせ先 | 深田 優子(生体膜研究部門) |
要旨 |
我々は、複雑な視覚入力から物体の形状だけでなく、金属、石、木など、その多様な 素材についても瞬時に認識している。しかしながら、このような優れた素材の認識機 能が脳においてどのように実現されているかはこれまでほとんど明らかになっていな い。我々の研究グループでは、ヒトが様々な素材カテゴリ(金属、ガラス、セラミック ス、毛、石、木目、樹皮、皮革、布 )の画像を観察しているときの脳活動を機能 的MRI を用いて計測し、素材の認識に関わる神経機構について調べている。異なるカ テゴリの画像をみたときの脳活動の局所的なパターンには違いがあることが知られて おり、その脳活動パターンを分析することにより、その局所領域が様々な素材カテゴ リをどのように表現しているか、例えば各素材がもつ単純な視覚特徴を表現している のか、それとも各素材の柔らかさ、冷たさなどの印象を表現しているのかを知ること が可能である。本セミナーではヒト脳について得られてきたこれまでの研究成果につ いて報告するとともに、現在進めているサルを用いた研究についても触れたいと考え ている。 |