日 時 | 2013年02月01日(金) 17:00 より 18:00 まで |
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講演者 | 戸島拓郎 |
講演者所属 | 理化学研究所脳科学総合研究センター神経成長機構研究チーム 科学技術振興機構さきがけ |
お問い合わせ先 | 鍋倉淳一(生体恒常発達機構研究部門 内線7851) |
要旨 |
複雑かつ精緻な神経回路網を形成するために、伸長中の神経軸索先端部に現れる成長円錐は、周辺環境に呈示された多種多様な軸索ガイダンス因子を感知して自らの移動方向を転換し(誘引/反発)、遠隔の標的まで辿りつく。我々はこれまでに、成長円錐の方向転換を制御するシグナル伝達系およびその下流の駆動メカニズムを解析してきた。その結果、①ガイダンス因子受容に伴う局所Ca2+上昇に応じた小胞体由来Ca2+誘発性Ca2+放出(CICR)の有無により成長円錐の誘引/反発が切り替わること、②cAMPとcGMPが拮抗的にCICRを調節すること、③Ca2+シグナル下流において非対称性エクソサイトーシスおよびエンドサイトーシスが誘引と反発をそれぞれ駆動すること、等が明らかになった。本セミナーでは、これら一連の研究成果を紹介し、神経回路の形成と再生を司る普遍的メカニズムの解明に向けての今後の研究の方向性について議論させて頂きたい。 参照文献: |