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セミナー詳細

2014年10月28日

Chemical MedicineとPhysical Medicineの今後の医療への展開

日 時 2014年10月28日(火) 17:30 より 18:30 まで
講演者 甲斐 広文 教授
講演者所属 熊本大学大学院 生命科学研究部(薬学系) 遺伝子機能応用学分野
お問い合わせ先 西田 基宏 (心循環シグナル研究部門、内線5560)
要旨

我々は,筋肉収縮に影響を及ぼさないレベルの物理的刺激の作用に着眼し,医薬 品開発と同様の研究を展開しながら刺激条件を最適化した医療機器の開発を進め てきた(経済産業省「課題解決型医療機器開発事業」採択,平成26年度より 「医工連携事業化推進事業」として継続推進中).これまでの研究により,分子 メカニズムという観点から,微弱直流パルス電流刺激がインスリン刺激下のAKT 活性化,p53の活性化において増強反応を示すこと,刺激電流に最適かつ共通の パルス幅が存在する現象を発見した.また,周波数により,生体への影響が大き く異なることがわかってきた.最適化物理的刺激療法は,糖尿病や慢性腎臓病の 各モデル動物において有効であることが明らかにされてきただけでなく,熊本大 学医学部附属病院代謝内科の荒木教授,近藤助教らが主導して,メタボリック症 候群や2 型糖尿病患者を対象とした臨床試験において治療効果を実証してきた. 本発表では,皮膚組織に対する影響も遺伝子レベルで網羅的に解析した結果も最 新の情報として話題提供する予定である.また,医薬工連携を基盤とする Physical MedicineとChemical Medicineを駆使した,今後の医療技術の開発・展 望についても議論を深めたいと願っている。