日 時 | 2015年02月23日(月) 9:00 |
---|---|
講演者 | 金 鳳柱 先生 |
講演者所属 | 徳島大学 疾患プロテオゲノム研究センター 遺伝子実験施設 助教 |
お問い合わせ先 | 神経機能素子研究部門 久保義弘 ykubo@nips.ac.jp |
要旨 |
ミトコンドリア内Ca2+濃度はダイナミックに変化し、NADHの産生に関わる脱水素酵素を活性化することから、細胞に必要なATP供給を調節する重要な役割を担うと考えられる。ミトコンドリアからのCa2+排出を担うNCXmが1970年代に発見されて以来、NCXmの膜電位依存性、起電性については結論が得られていなかった。心室筋ミトコンドリアのCa2+輸送メカニズムを解析し、その結果としてNCXmによりミトコンドリア膜電位が変化することと、NCXm活性がミトコンドリア膜電位に依存することが明らかになり、心筋NCXmが膜電位依存性かつ起電性であることを示した。さらに、NCXm遺伝子(NCLX)をノックアウトしたDT40 B細胞(NCLX+/-)を作成して解析した結果、NCXmはミトコンドリアから小胞体へCa2+を受け渡すことで小胞体Ca2+取り込みに寄与し、小胞体Ca2+含量を調節することが明らかになり、Bリンパ球細胞の免疫反応にNCXmが重要な役割を果たすことを発見した。 |