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研究活動

セミナー詳細

2015年02月10日

前帯状回におけるpresynapseの可塑的変化が不安と慢性疼痛に関与する

日 時 2015年02月10日(火) 16:00 より 17:00 まで
講演者 古賀浩平
講演者所属 トロント大学医学部生理学
お問い合わせ先 富永真琴(細胞生理研究部門 5286)
要旨

慢性疼痛が不安やうつなどの情動を増大させる事は、臨床で問題となっている。
しかしながら、そのメカニズムの詳細はシナプスレベルでは明らかとなっていな い。今回我々は、痛みの中枢部位の一つであり、高次脳機能に深く関わると考え られている前帯状回に注目して研究を行った。Long-term potentiation(LTP) は記憶、学習や痛みに関わるシナプス可塑性のモデルである。従って、まず初め に、パッチクランプ記録法を用いて前帯状回のpresynaptic LTP(pre-LTP)を確 立した。次に、慢性疼痛モデルマウスから記録を行った結果、pre-LTPが有意に 抑制された。また、不安様行動テストに曝されたマウスはpre-LTPを抑制した。 以上の事から、前帯状回のpre-LTPが不安と慢性疼痛に関与する可能性が示された。
本セミナーでは、これまで得られた皮質pre-LTPの機序、前帯状回における痛み と不安の関係について紹介したい。