日 時 | 2015年04月21日(火) 17:00 より 18:00 まで |
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講演者 | 大戸茂弘 先生 |
講演者所属 | 九州大学大学院薬学研究院薬剤学分野 |
場 所 | 山手地区3号館2階西 共通セミナー室 |
お問い合わせ先 |
西田基宏 自然科学研究機構岡崎統合バイオサイエンスセンター(生理学研究所) 心循環シグナル研究部門・教授 〒444-8787 愛知県岡崎市明大寺町東山5-1 TEL&FAX: 0564-59-5560 |
要旨 |
肝臓癌は未だアンメットメディカルニーズの高い疾患である。肝臓癌は、慢性肝炎そして肝硬変を経て発症するが、その機構は未だ明らかとされていない。一方、様々な生体機能には日周リズムが認められ、時計遺伝子と呼ばれる転写因子群により制御される。近年これら時計遺伝子が各種疾患の発症や重症度と関連し、医療の側面から注目されている。本研究では、分子時計を基盤とした新規の肝癌発症機構を解明し、新しい慢性炎症、肝癌の治療薬の開発を目指した。5週齢ICR雄性マウスを対象に、ジエチルニトロソアミン(DEN:80mg/L)の飲水投与によって慢性炎症-肝癌モデル作製した。標的分子発現抑制化合物の探索は、東京大学 創薬オープンイノベーションセンター所有のコアライブラリー9600を対象にスクリーニングした。DEN暴露後14週目の肝臓の時計遺伝子発現リズムは変容、細胞周期調節因子Ccrf(特許取得のため)の発現リズムも変容することを明らかとした。Ccrfの機能を明らかとするため、肝初代培養細胞にCcrfをノックダウンした細胞を対象にマイクロアレイ解析を行った。その結果、癌や細胞増殖に関連したシグナルが変容することが明らかとされた。また機能解析した結果、Ccrfは体内時計機構により制御され、炎症シグナルに重要な因子であることが明らかとなった。現在、Ccrfの発現機構に基づく新規化合物の探索をしている。 |