日 時 | 2015年07月27日(月) 12:10 より 13:00 まで |
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講演者 | 下村 拓史 助教 |
講演者所属 | 生理学研究所・神経機能素子研究部門 |
場 所 | 生理研山手地区 3号館2階共通セミナー室 |
お問い合わせ先 | 乾 幸二(生理研・感覚運動調節研究部門 #7754) |
要旨 |
膜電位感受性Na+チャネルは神経における活動電位の伝導を担う分子であり、局所麻酔薬の標的分子としても重要である。Na+チャネルの状態遷移や薬理作用についての分子メカニズムをより詳細に解明するためには、その立体構造情報を元にした理解が必要となる。高等動物のNa+チャネルは24本もの膜貫通ヘリックスを持つ巨大な膜タンパク質である。一方、原核生物由来のNa+チャネルは6回膜貫通型というより単純な構造をしていること、またすでに結晶構造が解明されていることから、機能・構造解析のモデルとして適している。 本セミナーでは、原核生物Na+チャネルの立体構造、活性制御メカニズム、局所麻酔剤の作用などについて、電気生理学的手法と結晶構造解析を組み合わせることで明らかにしてきたこれまでの結果を紹介する。また、高等動物のNa+チャネルにおいて、より複雑な分子構造が要求された理由を明らかにするため、現在検討している手法・戦略についても議論したい。 |