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セミナー詳細

2016年05月16日

実物の神経細胞に近い形態をもつ錐体細胞と非錐体細胞のモデル細胞

日 時 2016年05月16日(月) 12:30 より 13:00 まで
講演者 窪田芳之先生
講演者所属 生理学研究所 大脳神経回路論研究部門
場 所 生理研明大寺研究棟1階セミナー室
お問い合わせ先 村越秀治(生理研・多光子顕微鏡室 #7857)
要旨

  近い将来、神経モデリング解析分野で、信頼おけるモデル細胞を使ったシミュレーション解析をいかにナチュラルにするかが、重要な要素のひとつになると見込んでいる。そこで、私達は、実物の神経細胞に近い形態をもつ錐体細胞と非錐体細胞のモデル細胞を作成し、シナプス電位伝導特性をシミュレーション解析した。なお、現状では、2コンパートメントモデル等の単純化したモデル神経細胞を数百個組み合わせた神経回路モデルを使ったシミュレーション解析が多いと思われる。
  スライスホールセルパッチ電極法で、神経細胞にバイオサイチンをいれ、DAB染色を施し、電子顕微鏡観察用に組織処理した。その神経細胞を、Neurolucida解析により樹状突起分岐特性等を解析した上で、連続電子顕微鏡像からその神経細胞の樹状突起セグメントを3次元再構築し、断面積などの重要な形態情報を収集した。それらを盛り込んだナチュラルな樹状突起の形態を持つモデル細胞をNeuron simulatorを使って作成し、passive channel等を組み込み、単一のEPSP, IPSPシナプスコンダクタンスを樹状突起に入れ、それらの伝導特性をシミュレーション解析した。このモデル細胞は、研究者が自由にダウンロードできるようにModel DBにアップロードしてある。