日 時 | 2016年11月11日(金) 12:30 より 13:00 まで |
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講演者 | 大谷哲久 |
講演者所属 | 細胞構造研究部門 |
場 所 | 生理研(明大寺) 1階 セミナー室 |
お問い合わせ先 | 村越秀治(生理研・多光子顕微鏡室 #7857) |
要旨 |
上皮細胞は高度に極性化しており、体の外側に向く頂端部側と基底膜に面する側基底部側に区画化されている。上皮細胞が分泌・吸収といった機能を発現するためには、頂端部側・側基底部側にそれぞれ異なる膜輸送体が特異的に局在化することが必須であり、上皮極性形成機構の解明は上皮生物学における中心的課題の一つである。上皮細胞の頂端部側と側基底部側の境界部には密着結合(TJ:Tight Junction)が存在し、頂端部面と側基底部面の間の物質拡散の障壁として働くと考えられてきた。しかし、TJと上皮極性の関係については相反する結果が報告されており、現在に至るまでTJの上皮極性形成における役割は確立していない。私たちは、モデル上皮細胞であるMDCK II細胞においてゲノム編集を用いてTJを欠損するような変異細胞を作出したところ、上皮極性に異常が生じることを見いだした。これらの結果を踏まえ、TJが上皮極性形成において果たす役割について議論したい。 |