日 時 | 2016年11月25日(金) 16:00 より 17:00 まで |
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講演者 | 高井 章 教授 |
講演者所属 | 旭川医科大学 生理学講座 自律機能分野 |
場 所 | 山手地区2号館2階西 セミナー室 |
お問い合わせ先 |
西田基宏 自然科学研究機構岡崎統合バイオサイエンスセンター(生理学研究所) 心循環シグナル研究部門・教授 〒444-8787 愛知県岡崎市明大寺町東山5-1 TEL&FAX: 0564-59-5560 |
要旨 |
視覚遠近調節を司る毛様体筋は典型的な副交感神経支配の平滑筋組織の一つである。この筋には、膜表面のM3型ムスカリン受容体刺激に応じて開口する、単位コンダクタンスが100 fS と35 pSと大きく異なる2種類の非選択性陽イオンチャネル(NSCCSとNSCCL)が存在する。そのうち、いわゆるstore-operated Ca2+ channel (SOC)様の性質を示すNSCCSについては、安定的な視覚焦点合わせに重要な筋収縮持続相の維持に必要な細胞外からのCa2+の流入経路として機能することが予想されてきた。しかし、実験に供しうる十分な数の健常な単離毛様体筋細胞を得ることが難しいことが制約となり、NSCCSの分子実体の解明はなかなか進まなかった。最近われわれはコラゲナーゼ処理とPercoll密度勾配遠心分離によりウシ毛様体筋組織から平滑筋細胞を高純度に取り出す方法を開発した。それにより調整した単離筋細胞を用いてsiRNA法などによる実験をおこなったところ、SOCの本体として注目されているSTIM1/Orai1とNSCCSとの関連を強く示す知見が得られた。 |