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研究活動

セミナー詳細

2017年01月06日

順遺伝学的アプローチによるGPIアンカー型タンパク質の輸送と側鎖生 合成の研究

日 時 2017年01月06日(金) 11:00 より 12:00 まで
講演者 平田 哲也先生
講演者所属 大阪大学微生物病研究所
場 所 生理研(明大寺) 1階 セミナー室
お問い合わせ先 深田正紀 (生理研 生体膜 内線5873)
要旨

  グリコシルホスファチジルイノシトール(GPI)アンカーは、糖脂質GPIによるタンパク質の翻訳後修飾であり、初期発生や神経形成等に必須である。GPIは小胞体で合成された後、タンパク質へと付加されてGPIアンカー型タンパク質(GPI-APs)となる。合成されたGPI-APsは、積荷受容体であるp24ファミリー複合体によりCOPII小胞へと積み込まれ、小胞体からゴルジ体へと輸送される。その後、未解明な積荷受容体と輸送小胞により、ゴルジ体から細胞表面へと輸送される。
   一方、小胞体あるいはゴルジ体で、GPIの構造変化が行われることが知られている。そのうちの一つとして、N-アセチルガラクトサミン(GalNAc)糖鎖によるGPI側鎖の形成が知られている。GalNAc側鎖の構造は約30年前に報告されたにもかかわらず、その生合成経路は不明であった。私は、GPI-APsの輸送や生合成機構に興味を持ち、研究を進めてきた。本セミナーでは、哺乳動物細胞での順遺伝学的スクリーニングにより得られた、GPI-APsのゴルジ体からの輸送に関わる分子、及びGalNAc側鎖の合成酵素に関する研究成果を報告する。