大脳皮質5層錐体細胞は、様々な皮質下領域、線条体、視床等にその軸索を投射し、大脳皮質の情報の最終出力細胞であることが知られている。 これまでに、2つの投射先(反対側の線条体、橋核)の異なる2種の錐体細胞が、皮質内においてそれぞれが異なるシナプス情報伝達を行い、タイプ依存的な神経回路を形成することを明らかとしてきた。特定の錐体細胞に対する抑制性細胞の作用については、未だ明らかとなっていないことが多い。 そこで、これらの2種の錐体細胞と抑制性細胞のサブグループであるソマトスタチン陽性細胞が互いにどのようにシナプス結合し、作用するのかについて調べた。 本セミナーでは、ソマトスタチン細胞は、錐体細胞のタイプに依存して、異なる情報ネットワークを形成することを紹介していきたい。