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セミナー詳細

2017年08月24日

「セカンドメッセンジャー活性酸素種」によるタンパク質可逆的酸化修飾の特異的可視化〜エンドソームに限定したROS産生「レドキソソーム」モデルと情報伝達〜

日 時 2017年08月24日(木) 16:00 より 17:00 まで
講演者 堤 良平 先生
講演者所属 Perlmutter Cancer Center, New York University Langone Health
場 所 統合バイオサイエンスセンター(山手地区)3号館2階西 共通セミナー室
お問い合わせ先 深田正紀 (生体膜研究部門 mfukata@nips.ac.jp)
要旨

 活性酸素種(ROS) は一般に細胞ストレスの一因とされているが、増殖因子等の外部刺激によっても細胞内で産生される。 この生理的に産生されるROSはセカンドメッセンジャーとして機能し、標的分子の一時的な可逆的酸化を介した機能調節によって正常な細胞内情報伝達に寄与する。 タンパク質チロシンホスファターゼ(PTP)ファミリーはROSの主要な標的酵素であると考えられているが、その可逆的酸化の詳細は技術的困難から明らかにされていなかった。
 本研究では、特定のタンパク質の可逆的酸化修飾を顕微鏡下で観察可能とする手法を開発し、PTPの一種SHP2をモデルとして詳細を検討した。 本セミナーでは、細胞内でのセカンドメッセンジャーROSによる標的分子の可逆的酸化が時空間的に高度に制御されている事、ならびに細胞内情報伝達において重要な役割を有するROS産生小胞「レドキソソーム」の存在を強く示唆する本研究の結果を紹介したい。