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研究活動

セミナー詳細

2018年02月08日

シナプス伝達および可塑性の分子機構とその生理機能

日 時 2018年02月08日(木) 16:00 より 17:00 まで
講演者 富田 進 博士
講演者所属 Department of Cellular and Molecular Physiology and Department of Neuroscience Yale University School of Medicine, U.S.A.
場 所 明大寺地区 生理研1F 大会議室
お問い合わせ先 深田正紀 (生理研 生体膜 内線5873)
Masaki Fukata, Div of Membrane Physiology, NIPS #5873
要旨

  近年の研究は、脳神経回路が動物の行動を制御していることを明らかにしている。神経回路は、神経が主にシナプスを介して機能的に結合して形成されるものである。シナプスにおけるシグナル伝達は、神経伝達物資およびその受容体を介して行われる。また、動物の行動は瞬間ごとに変化して行くものであり、その可塑的な役割をシナプス伝達効率の動的変化(シナプス可塑性)が担っていると考えられている。
 我々のグループは、これまでにシナプス伝達を担う神経伝達物質受容体がその補助サブユニットと安定的複合体を形成することにより、 シナプス局在及び機能を調節し、その生理機能を担うことを明らかにして来た。また、この研究を発展させ、シナプスにおける受容体機能を担う全ての構成因子の単離にもいくつかの受容体において成功している。これらの構成因子の同定は、シナプス可塑性を担う基質の発見、および、その分子機構に基づくシナプス可塑性の調節および可塑性の生理的意義の解明へと繋がって行く。今回、これらの論題について、 未発表の実験結果も含めて最新の知見を発表する。