日 時 | 2018年02月15日(木) 12:00 より 13:00 まで |
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講演者 | 二宮太平 先生 |
講演者所属 | 認知行動発達機構研究部門 |
場 所 | 明大寺地区1階セミナー室 |
お問い合わせ先 | 小林憲太(生理研・ウイルスベクター開発室 内線:7827) |
要旨 |
今回の昼食セミナーでは、生理研着任前におこなっていた(1)霊長類の運動関連領野の結合様式に関する解剖学的手法を用いた研究と、着任後に開始した、(2)自他の動作情報処理に関わる神経ネットワーク機構の解明に向けた、電気生理学的手法を用いた研究について紹介したい。 (1)順行性神経トレーサーを用いて、マカクザルの補足運動野(SMA)と一次運動野(M1)および、運動前野(PM)とM1との層特異的投射様式を検討した。SMAからM1へは主に1層と2/3層の上部に強い順行性ラベルが見られた。他方、PMからはM1の2/3層下部へと入力していた。SMAおよびPMのM1への入力様式は、それぞれ機能的に関連が深いとされる、基底核および小脳から視床を介したM1への入力様式とよく似ており、機能的に近い情報が層特異的にM1へと入力している可能性を示唆する。 (2)他者の行動とその結果を正しく理解することは、他者を含めた環境に適応する上で非常に重要である。本研究では、他個体と交互に行動選択課題を遂行するマカクザルを対象に、自他の動作情報処理に関連するとされる内側前頭皮質、上側頭溝、腹側運動前野の3つの脳領野から神経活動の同時記録をおこない、3領野からなる神経ネットワークを解析する。現在、記録実験を開始したところであり、予備的ではあるが結果について紹介したい。 |