日 時 | 2018年05月29日(火) 15:00 より 16:00 まで |
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講演者 | 及川 真実 博士 |
講演者所属 | Wellcome Trust /Cancer Research UK Gurdon Institute, University of Cambridge |
場 所 | 山手3号館9階東 9階セミナー室B |
お問い合わせ先 | 平林 真澄、小林 俊寛 |
要旨 |
これまで、精子の役割は父親由来のDNAを受精後の胚に伝えることのみだと考えられてきた。近年では、精子の核にはエピゲノムと呼ばれる情報(DNAメチル化や、DNAをとりまくヒストンへのメチル化、ノンコーディングRNAなど)も存在することがわかり、これらも受精後の胚に伝わると思われる現象が複数報告されている。しかし、その実体はほとんどわかっておらず、特にヒストンへのメチル化やノンコーディングRNAに関する知見はまだ少ない。本研究では、精子核に存在するヒストンへのメチル化情報が、受精後の胚に伝わる可能性はどれくらいあるのか?という問いを立てた。そして、もしこの情報が受精後の胚に伝わり、発生において機能的役割を持つならば、(1)ほぼ全ての精子において、ヒストンメチル化が均一に刷り込まれるゲノム領域が存在し、(2)そのゲノム領域あるいは周辺には、胚発生の支持や制御に関わる遺伝子が有意にコードされているのではないか?という仮説を立てた。本セミナーでは、アフリカツメガエルあるいはヒトの精子を用いて、この仮説を検証した結果について紹介したい。 |