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セミナー詳細

2019年01月08日

ヒト胚遺伝子治療の最前線

日 時 2019年01月08日(火) 16:00 より 17:00 まで
講演者 葉山 智工 先生
講演者所属 横浜済生会南部病院・産婦人科、横浜市立大学附属市民総合医療センター・生殖医療センター
場 所 山手地区3号館2階西 共通セミナー室
お問い合わせ先 平林 真澄、小林 俊寛(行動・代謝分子解析センター 遺伝子改変動物作製室 内線5265)
要旨

近年のCRISPR-Cas9をはじめとする遺伝子工学の発展は、発生工学の技術進歩と相まって、従来、長い時間と多くの費用と動物の犠牲によってのみ実現した動物のゲノム編集(遺伝子改変)を、簡便・容易なものとした。
このため重篤な遺伝病のヒト胚に対してゲノム編集を行うことが現実的な治療として考えられるようになってきた。

オレゴン州は研究用にヒト受精胚および卵子・精子を有償ドナーから購入することが許されている世界でも珍しい研究環境の州である。講演者は2014年より2018年までオレゴン健康科学大学OHSUに籍を置き、 OHSU胚遺伝子治療センターの立ち上げ(2015年9月開設)、世界で最初のミトコンドリア病患者の核交換療法(2016年Nature)、世界で最初の致死性遺伝病患者胚のCRISPRによる遺伝子修復療法(2017年Nature)のプロジェクトに参加した。

本邦でも2019年度よりヒト胚に対してゲノム編集を行う基礎研究が解禁される方向となっているため(2018年11月通達)、今後ますますこの研究分野は注目されるものと思われる。本講演ではオレゴンでの二つのプロジェクトの結果の紹介と、最近の他のグループの報告をする。そしてオレゴンでの後続プロジェクトと横浜で予定しているプロジェクトにも少し触れる予定である。