日 時 | 2019年02月13日(水) 16:00 より 17:00 まで |
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講演者 | 西條琢真 先生 |
講演者所属 | 東京慈恵会医科大学 薬理学講座 |
場 所 | 生理学研究所(明大寺地区)1階大会議室 |
お問い合わせ先 |
生理学研究所生体システム研究部門 南部 篤 (nambu@nips.ac.jp, x7771) |
要旨 |
前脳基底核は中枢神経系におけるコリン作動性ニューロンの起始核群として知られており、学習や記憶、注意、覚醒に関与し、認知症やアルツハイマー病といった神経変性疾患にも関連している。前脳基底核は脳幹の縫線核からセロトニン性線維の入力を受けているが、特に前脳基底核のシナプス伝達に対するセロトニンによる修飾機構は解明されていなかった。そこで、幼若ラットを用いて電気生理学的手法により、前脳基底核コリン作動性ニューロンへの抑制性シナプス伝達および興奮性シナプス伝達に対するセロトニンの作用、関与する受容体サブタイプおよび修飾のイオン機構について研究を行った。そして、前脳基底核コリン作動性ニューロンに対するGABAの放出がシナプス前終末に存在する5-HT1B受容体の活性化により抑制されること、この抑制作用はシナプス前終末へのCa2+流入に非依存的であり、4-AP感受性のK+チャネルが関与していることを明らかにした。また、セロトニンが前脳基底核コリン作動性ニューロンへの興奮性シナプス伝達を抑制し、その抑制作用には5-HT1Aおよび5-HT1B受容体が関与していること、その抑制機序にはP/Q型Ca2+チャネルの関与や、シナプス後細胞の機構も関与していることが示唆された。 *本セミナーは日本語で行われます。 |