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研究活動

セミナー詳細

2019年11月26日

Formative Pluripotency

日 時 2019年11月26日(火) 14:00 より 15:00 まで
講演者 木下 将樹 先生
講演者所属 ケンブリッジ大学 Wellcome Trust-MRC幹細胞研究所
場 所 山手3号館2階西 共通セミナー室
お問い合わせ先 平林 真澄、小林 俊寛
(行動・代謝分子解析センター 遺伝子改変動物作製室 内線5265)
要旨

多能性は発生初期の胚において一過的に存在する。この間、エピブラスト細胞は多能性を維持しつつもその特徴を時間軸とともに変えていく。我々はこれらの異なる多能性を、naïve、formative、primed と区別することを提案した。マウスにおいてこれらに相当する細胞として、naïve = ES細胞、primed = Epi 幹細胞があるが formative 期に相当するものは樹立されていない。ES 細胞は生殖系列を含めた全ての体細胞系へと分化する能力を保持しているが、未分化状態では分化シグナル応答性を持たず、必ず formative 期へと移行する必要がある。一方、primed Epi 幹細胞は生殖細胞分化能を喪失している、かつ分化に偏りがあることが知られている。Formative 細胞は分化応答性を持ち、かつES細胞と同等の分化能を持つ細胞である。我々はこの formative 期の特徴を備えた自己複製する細胞株の樹立に成功した。
今回、我々がどのようにして formative 期の細胞を培養株として樹立したか、およびどのような特徴を持つのかを紹介したい。