日 時 | 2020年02月06日(木) 11:00 より 12:00 まで |
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講演者 | 土元翔平 研究員 |
講演者所属 | 国立長寿医療研究センター 健康長寿支援ロボットセンター |
場 所 |
生理学研究所(明大寺地区)4階462号室 心理生理学研究部門内カンファレンスルーム |
お問い合わせ先 | 小池耕彦(心理生理学研究部門) |
要旨 |
ヒトの随意運動は、大脳皮質体性感覚運動野より発せられる運動指令が脊髄運動ニューロンに伝達され、筋収縮を引き起こすことで発現する。この下行路が脳卒中によって組織損傷すると、充分な筋収縮が誘導できずに片麻痺状態となり、長年にわたって重篤な生活阻害をもたらすことが知られている。これまでに、ロボティクスを用いた運動介助や麻痺筋への電気刺激などの様々な治療介入手法が提案されてきたが、いずれも手指運動機能の回復には確定的効果が認められておらず、新たな治療介入方法とその背後にある神経機構の解明が求められる。ブレイン・コンピュータ・インターフェース(Brain-Computer Interface, BCI)は、頭皮上に貼付した直径10 mmの金属電極から導出される脳波を用いて、片麻痺の治療標的脳領域である大脳皮質体性感覚運動野の興奮性を実時間に読み出し、その興奮性に応じた状態フィードバックをロボティクスや電気刺激を通じて麻痺手指に与える新規な治療介入手法である。国内外でおこなわれた複数の臨床試験によってBCIの臨床有効性は示されてきたものの、中枢神経作用性については不明であった。そこで本研究では磁気共鳴画像法を用いて、BCIが検出する運動関連脳波の活動相関脳領域を同定するとともに、BCI単回介入による脳活動修飾効果を検討した。 |