日 時 | 2021年08月20日(金) 12:00 より 13:00 まで |
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講演者 | 横井紀彦先生 |
講演者所属 | 生理学研究所 生体膜研究部門 |
場 所 | Online (Zoom) |
お問い合わせ先 |
生理学研究所 細胞生理研究部門 曽我部隆彰 |
要旨 |
多くの遺伝性疾患においては、標的蛋白質の量や機能がある閾値を下回ると、臨床症状が出現する。したがって、疾患蛋白質の発現量と症状出現との関連性を定量的に明らかにし、その蛋白質の発現制御機構を解明することは、疾患治療において重要となる。本研究室では、てんかん原因遺伝子産物である、神経分泌蛋白質LGI1と膜蛋白質ADAM22がシナプスにおいて複合体を形成すること、そして、変異による複合体の減少がてんかんを誘引することを報告してきた。今回、LGI1-ADAM22の量を制御する分子機構として、ADAM22のリン酸化依存的な蛋白質間相互作用を新たに見出した。さらに、LGI1-ADAM22を様々な量で発現するマウス系統群を作製することで、この複合体がてんかん発症を抑える必要量を明らかにした。以上の結果をもとに、ADAM22のリン酸化機構を利用することによる、てんかんの新たな治療法を提案し、議論したい。
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