日 時 | 2021年09月29日(水) 12:00 より 13:00 まで |
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講演者 | 小林俊寛先生 |
講演者所属 | 行動・代謝分子解析センター遺伝子改変動物作製室 |
場 所 | Online (Zoom) |
お問い合わせ先 |
生理学研究所 細胞生理研究部門 曽我部隆彰 |
要旨 |
たった1つの細胞である受精卵は、分裂とそれに伴う様々な細胞への運命決定を繰り返し私たちの身体を作り上げる。生殖系列への運命決定はその過程の中でも最も早く起こるイベントの一つで、次世代に遺伝情報をつなぐ唯一の細胞である生殖細胞か、その他すべての体細胞かを選択する岐路ともいえる。哺乳類ではこれまでに遺伝子改変の簡便性からマウスを用いてそのメカニズムの解明が進められてきたが、最近になって発生初期の構造が異なるマウス含む齧歯類と、ヒトを含む齧歯類以外の動物種では、そのメカニズムにも大きな違いがあることが判ってきた。一方で、大型動物や非ヒト霊長類などヒトに近い動物の発生学的な解析は実験動物ほど容易ではない。そこで私たちは、実験動物の中でもヒトに近い初期胚の構造をとるウサギに着目した。本セミナーでは、これまでの研究背景と共に、私たちが進めてきたウサギの初期胚と多能性幹細胞を使った研究を紹介したい。
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