Research

研究活動

セミナー詳細

2021年10月28日

時を刻む脳

日 時 2021年10月28日(木) 12:00 より 13:00 まで
講演者 榎木亮介先生
講演者所属 生理学研究所
バイオフォトニクス研究部門
場 所 Online (Zoom)
お問い合わせ先 生理学研究所 細胞生理研究部門
曽我部隆彰
要旨 私たち哺乳類では、ストップウォッチで計測する様な秒単位の早いスケールの時間感覚から、一生(寿命)という二度と繰り返されない時間まで、実に様々な時間スケールの生物時計が存在している。私たちの全身の細胞は時計機能を有しており、生理機能に周期的なリズムをもたらし、時刻や季節の認識や時間感覚にも重要な役割を持っている。
哺乳類の約24時間の概日リズムの中枢は,脳深部の視床下部領域にある視交叉上核に局在し、脳の他の領域や全身の末梢臓器へリズム情報を伝えることで、全身の約24時間の生理機能を調節する。視交叉上核は約2万個の神経細胞とそれを取り巻くグリア細胞から構成され、組織としての安定性や頑強性は多数の細胞の相互作用により生み出されると考えられている。
私はこれまで、日から週単位の長期間で撮像する為の蛍光イメージング計測法を確立し、視交叉上核の概日リズム発振メカニズムの解析を行ってきた。本ランチセミナーでは、概日リズムの可視化の研究の試みに加え、岡崎に着任してから開始した冬眠研究のプロジェクトについても紹介したい。