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研究活動

セミナー詳細

2022年01月28日

末梢B細胞運命決定機序

日 時 2022年01月28日(金) 17:00
講演者 黒﨑 知博  先⽣
講演者所属 大阪大学WPI免疫フロンティア研究センター・大阪大学感染症総合教育拠点・理化学研究所統合生命医科学研究センター
場 所 Online (Zoom)
お問い合わせ先 長谷部 理絵
生体機能調節研究領域
分子神経免疫研究部門
要旨 抗体の多様性形成に関する分子的研究の目覚ましい進展に比べて、末梢B細胞が抗原刺激を受けて、どのような機序で、プラズマ細胞・メモリーB細胞へと分化するのか、又、T細胞のように機能的に異なるサブセットが形成されるのかどうか、このような問題の解決は残念ながらあまり進んできたとは言えない状況であった。抗体の多様性は、先ず、骨髄で生じる遺伝子再編成によってもたらされるわけであるが、T細胞とは異なり、B細胞の場合、再度、末梢で抗原によって、胚中心(GC)反応が誘導され、その中で、突現変異(SHM)により、2度目の多様性創出が生じ、affinity maturationが生じる。それと同時にGC B細胞からメモリーB細胞及び長期生存プラズマ細胞という、液性免疫記憶を支える2つの細胞コンパートメントが生成されてくる。最近、この複雑なGC反応中に生じる細胞運命決定機構が明らかにされつつある。この点に的を絞り、最近の私たちの研究成果を中心に、どこまでわかりつつあるのか、又将来どのような課題が重要になるのかを議論していきたい。