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セミナー詳細

2022年12月26日

神経-免疫連関による組織特異的炎症誘導機構:ゲートウェイ反射

日 時 2022年12月26日(月) 12:00 より 13:00 まで
講演者 長谷部理絵先生
講演者所属 分子神経免疫研究部門
場 所 Online (Zoom)
お問い合わせ先 鳴島 円
要旨 ゲートウェイ (G) 反射は、2012年に発見された神経-免疫連関の新たな分子機構である。自己反応性T細胞が血中に増加している状態で、環境刺激・人為的刺激を受けると、特異的神経回路が活性化し、標的臓器の特定血管近傍にノルアドレナリンが分泌され、特定血管内皮細胞で、STAT3とNFkBの同時活性化によりNFkBが過剰活性化するIL-6アンプが誘導される。その結果、ケモカイン・サイトカインの過剰産生が起こり、自己反応性T細胞を含む免疫細胞の侵入口である「血管ゲート」が形成され、血管周囲に微小炎症が誘導される。その後の10年間で重力、電気刺激、痛み、ストレス、光、関節内炎症の6つの刺激を介するG反射を発見できた。最近のストレスG反射と遠隔炎症G反射では、微小炎症部位で局所産生されたATPが神経伝達物質として機能し、特異的神経回路の活性化を介して投射先の臓器で炎症や組織機能不全を誘導する。本セミナーでは、G反射の概要とストレスG反射・遠隔炎症G反射を中心に紹介する。