日 時 | 2023年02月22日(水) 12:00 より 13:00 まで |
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講演者 | 窪田芳之先生 |
講演者所属 | 脳機能・計測支援センター電子顕微鏡室 |
場 所 | Zoomオンライン |
お問い合わせ先 | 鳴島 円 |
要旨 | 練習により運動は上達する。前肢を用いた種掴み運動学習時に大脳皮質一次運動野(M1)で生じる神経回路の変化を観察するため、マウスのM1直上に生体脳観察窓を作成し2光子顕微鏡で観察した。学習期間中、5層錐体路細胞のタフト樹状突起に棘突起新生を数多く認めた。学習初期(day1 – day4)には、より運動が上達したマウスほど多く、その6割は皮質二次運動野(M2)からのシナプス入力があることをpost-hoc 免疫組織化学法で示した。一方、学習の後期(day5 – day8)になると、新生棘突起の8割は消失する。残存新生棘突起の大半は視床-皮質神経終末入力を受けることを明らかにした。さらに、M2や視床からM1へ投射する神経細胞の活動を化学遺伝学的手法で抑制し、機能的意義を検証した結果、M2-M1神経路は「運動学習」に重要な役割を担う一方、体得した「運動記憶」は視床-M1神経路に引き継がれることがわかった。 |