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セミナー詳細

2023年07月21日

G蛋白活性調節因子による病態調節

日 時 2023年07月21日(金) 16:00
講演者 佐藤元彦教授
講演者所属 愛知医科大学 医学部生理学講座
場 所 生理学研究所(明大寺地区)大会議室
お問い合わせ先 富永真琴(tominaga@nips.ac.jp)
要旨  三量体G蛋白質(G蛋白)は受容体により活性化される分子スイッチですが、受容体以外にもG蛋白の活性を調節する蛋白(G蛋白活性調節因子)が存在することが知られています。我々は、病態下で発現するG蛋白活性調節因子を探索し、病態調節シグナルへの影響を検討してきました。一連の研究の中で、ラット狭心症モデルの心筋組織から、Activator of G-protein signaling 8(AGS8、別名FNDC1)を同定し、解析を行いました。その結果、AGS8はGβγサブユニットと結合し、心筋では低酸素誘導アポトーシスを、血管内皮では血管新生を制御している可能性が明らかになりました。最近、AGS8は乳癌、胃癌、前立腺癌等で高発現していることが報告され、癌の治療標的としても検討されています。我々はAGS8とGβγサブユニットの相互作用を阻害することにより、新たな治療の可能性を探索しています。これまでの研究の経過と最近の進展について報告します。