日 時 | 2023年10月24日(火) 9:00 より 10:00 まで |
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講演者 | 湯淺健一 |
講演者所属 | New York University |
場 所 | Zoomオンライン |
お問い合わせ先 |
神経ダイナミクス研究部門 北城圭一(kkitajo@nips.ac.jp) |
要旨 |
1929年にハンス・ベルガーがヒトの脳から生じる電気的信号を計測し、10 Hz付近の周期的な神経活動を発見して以来、類似の神経律動は様々な周波数で報告され、その機能的役割が議論されてきた。本セミナーでは特にヒトの視知覚に着目し、神経律動が視知覚において果たす機能的役割について、私のこれまでの脳磁図や皮質脳波といった電気的脳機能計測手法を用いた研究で明らかにしたことを紹介する。まず始めに、異なる視覚領域間の神経律動ネットワークが視覚意識に与える影響を紹介する。ここで視覚意識とは、特定の視覚情報が「見えた」と意識的に知覚することを指す。次に視覚情報の処理において、視覚野内のアルファ波の活動が空間特異的な情報の符号化に関与することを示し、その機能的な意味と重要性について議論する。またこれらの研究を通して判明した神経律動の特性についても紹介するとともに、今後の研究の展望について紹介する。
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