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セミナー詳細

2024年06月27日

生体脳「ナノ」イメージングへの挑戦

日 時 2024年06月27日(木) 12:00 より 13:00 まで
講演者 石井 宏和
講演者所属 生理研バイオフォトニクス研究部門・助教
場 所 Zoomオンライン
お問い合わせ先 西村 明幸 (aki@nips.ac.jp)
要旨 二光子顕微鏡法は、生体内をサブミクロンの空間分解能で観察する手法として医学・生物学研究において日常的に利用されている。しかし、記憶形成に伴う神経樹状突起スパインの微細形態の変化やオルガネラの動態といったナノスケールの現象を可視化するには、空間分解能が足りない。電子顕微鏡は光学顕微鏡を凌駕する空間分解能を発揮するが、生体組織を固定・スライスしてからイメージングする必要がある。液-液相分離した非膜オルガネラを観察対象とする場合など、そもそも固定すること自体が困難なこともある。生きたまま、ありのままに生体内のナノスケールの生理現象を可視化できる顕微鏡技術の確立が必須である。我々はこれまでに独自の光技術を統合し、コンパクトかつ低侵襲的な超解像二光子誘導放出制御(STED)顕微鏡を開発してきた。今回の昼食セミナーでは、生体脳「ナノ」イメージングの実現に向けた我々のこれまでの研究開発と現状、更なるシステムの高度化とその応用可能性について紹介し、議論したい。