日 時 | 2025年01月15日(水) 14:00 より 14:50 まで |
---|---|
講演者 | 兼子峰明 特任助教 |
講演者所属 | 認知行動発達機構研究部門 |
場 所 | 生理学研究所 1Fセミナー室 |
お問い合わせ先 | 磯田昌岐 |
要旨 |
社会的認知機能の適切な発現に関連する脳部位は明らかになりつつも、その背後にある情報処理機構の解明は今後の課題である。非ヒト霊長類動物は、ヒトと近縁で、かつ様々な神経活動計測・操作実験が適用可能であり、社会的認知神経機構の解明に最適なモデル動物である。本セミナーでは、まず、マーモセットを対象として、他者の内的状態に応じて自己の行動を柔軟に調整する際に内側前頭前野が因果的に関与することを示した研究を紹介する。この研究では、人工ニューラルネットワーク(ANN)により、複雑な行動を客観的かつ効率的に定量化する技術を開発し、大規模データ駆動型解析を実現した。続いて、これをマカクザルに適用して現在進めている研究について紹介する。ANNは行動解析のみでなく、実世界データを基に機能する認知システムを人工的に構築することが可能であり、これを活用したin vivoとin silico実験を統合した研究戦略について議論する。
|