日 時 | 2025年02月03日(月) 12:30 |
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講演者 | 坂本 丞 博士 |
講演者所属 | 生理学研究所 バイオフォトニクス研究部門 |
場 所 | Zoom オンライン |
お問い合わせ先 | 根本 知己 (tn@nips.ac.jp) |
要旨 |
二光子顕微鏡は生体内を低侵襲にサブ細胞レベルで観察する手法として、神経科学研究を始め幅広い分野で用いられている。一方で、その空間分解能は神経科学研究で重要な神経細胞における樹状突起スパインの形態変化や、オルガネラなどのナノスケールな動態を可視化するには不足している。このような生命現象を可視化するために、我々はこれまでに独自開発の光技術を駆使して低侵襲な超解像顕微鏡である二光子誘導放出抑制(STED)顕微鏡を開発してきた。しかしながら、二光子STED顕微鏡では誘導放出光として利用できる波長が限られており、これにより使用できる蛍光プローブにも制限がある。この制限を克服するために、我々は二光子STED顕微鏡に波長可変レーザー光源を統合し、使用する蛍光プローブに最適な波長で超解像観察ができる二光子波長可変STED顕微鏡を開発した。本システムを用いて、複数の蛍光プローブで最適な波長を見出し、100nm以下の空間分解能での観察に成功している。本セミナーでは、私のこれまでの研究に触れつつ最新の観察結果を紹介し、その応用可能性や今後の展望について議論したい。 |