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セミナー詳細

2025年12月23日

異種間キメラ作製技術と イヌ多能性幹細胞を用いた個体差研究への試み

日 時 2025年12月23日(火) 10:00 より 11:00 まで
講演者 西村俊哉 特任講師
講演者所属 大阪大学 ヒューマン・メタバース疾患研究拠点
場 所 Zoom オンライン
お問い合わせ先 小林俊寛(tkoba@nips.ac.jp)
要旨  イヌは同種間でも体格差、長頭・短頭の形態的違い、平均寿命差など、多様な表現型を示すユニークな動物であり、ヒトを含む動物において「個体差が生じる機構」を解明するモデルとして有用である。しかしながら、イヌ胎子の採取が非常に困難であることから、その詳細な発生機序はわかっておらず、発生過程におけるそれら表現型の制御機構も不明である。我々はこれまでドナー多能性幹細胞をホスト異種胚に移植することで作製される異種間キメラ動物に関する研究を進め、ホスト胚のインスリン成長因子1受容体(Igf1r)を欠損させることで、ドナー細胞が異種環境下で飛躍的に増殖する手法を開発した。一方、イヌ多能性幹細胞に関する研究も進め、ヒト多能性幹細胞らと遜色なく分化誘導が可能なイヌ多能性幹細胞を培養・維持する手法を報告した。本セミナーでは異種間キメラ作製技術とイヌ多能性幹細胞の樹立、培養について紹介するとともに、これらを応用したイヌ胚発生研究および犬種特有の表現型解析について議論したい。