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生理研について

自然科学研究機構

kawai2023.jpeg 自然科学研究機構は、国立天文台、核融合科学研究所、基礎生物学研究所、生理学研究所、分子科学研究所の5つの研究所で構成されており、宇宙、エネルギー、物質、生命等に関わる自然科学分野の中核的研究機関として、保有する最先端設備の共同利用や先導的共同研究の場を大学共同利用機関として全国の大学・研究機関の研究者に提供するとともに、研究者コミュニティの総意の下、各研究所の役割と機能の充実を図り、それぞれの専門分野における最先端研究を推進してまいりました。

 大学共同利用機関は平成16年の法人化により4つの機構に再編され、自主的・自律的に教育研究を行う機関としての位置付けが強化されましたが、本来は異なる研究者コミュニティを背景に持つ各研究所の有機的な連携と、機関総体として社会的使命を果たしていくことの双方の舵取りが極めて重要です。加えて、大学共同利用機関は独創的な研究を展開する基盤を提供するものであり、我が国の研究者が水準の高い研究を創出し続けることを支える役目を担っており、大学を中心とした研究者コミュニティとともに繁栄することがその使命です。

 自然科学研究機構は、天文学から脳科学までの幅広い学術領域の研究を推進し、構成機関である5つの研究所はそれぞれが異なる学術分野を基盤とする研究者コミュニティを有しています。学術の広がりや学際的な新たな分野の創出を見据えれば、機構内での閉じた発展は限定的であり、大学共同利用機関法人全体や共同利用・共同研究拠点を含めた大学との連携が不可欠です。このため、4つの大学共同利用機関法人と総合研究大学院大学の連携により設立された大学共同利用研究教育アライアンスや、研究力強化に取り組む国公私立大学及び大学共同利用機関法人で構成する研究大学コンソーシアムなど、その取組みはすでに始まっています。また、令和4年度から令和9年度までの第4期中期目標期間の6年間は、大学共同利用機関の将来のあり方が更に問われる重要な期間であると捉えています。

 技術革新や社会革新を通じて誇りある未来に向かうには、高等教育人材の活用促進が欠かせません。研究者コミュニティを先導する機関として、自然科学研究機構は科学を通じて、高等教育の重要性や社会への高等教育人材の浸透を促す活動に寄与していきます。

 引き続き、自然科学研究機構にご支援とご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

 

自然科学研究機構長
川合眞紀