生物は、タンパク質をはじめとするさまざまな生体分子によって形づくられており、それらが引き起こす化学反応によって生命活動が維持されています。私たちの研究部門では、「クライオ電子顕微鏡法」という手法を用いて生体分子の構造を詳しく調べ、「生命とは何か」という根本的な問いに分子レベルから迫っています。
クライオ電子顕微鏡法とは、生物試料を急速に凍結し、低温状態を保ったまま電子顕微鏡で観察する方法です。この手法により、生体分子を生体内に近い自然な状態のまま、高い分解能で解析することが可能になります。
当研究部門には、最先端の研究設備が整っています。例えば、高分解能の画像を取得するための300kVクライオ電子顕微鏡(TITAN Krios G4)、試料のスクリーニングに用いる200kV透過型クライオ電子顕微鏡(JEM-2200FS)、さらにトモグラフィー試料作製装置(Aquilos 2)などを備えています(図1)。
これらの装置で得られたタンパク質の高精細な画像は、高性能コンピューターによって解析され、生体分子の立体構造が再構築されます。
図2に示すのは、クライオ電子顕微鏡の単粒子解析によって明らかになったアミロイド繊維の構造です(Yagi-Utsumiら, 2025)。この成果により、アミロイド繊維がどのように形成されるのか、その一端が明らかになりました。
私たちの研究室では、このような構造生物学の研究に興味をもつ若手研究者や大学院生の参加を歓迎しています。

図1
300kVクライオ電子顕微鏡TITAN Krios G4(左)と200kV位相差クライオ電子顕微鏡JEM2200FS(中)、トモグラフィー試料作製装置Aquilos2(右)。

図2
Tottori型アミロイド繊維の構造。アミロイド繊維の外形(左)、繊維の横断面(中)、アミロイドペプチドの配向の様子(右)