ご挨拶

2010年10月   伊佐 正 

10月になりました。やっと涼しくなってきてほっとしています。10月は比較的出張の頻度が少ないので、12月頭の脳プロの冬の成果報告会に向けて、私も必死で実験します。ほとんど毎日のように手術をしてウィルスベクターを注入するような毎日が続きます。11月の中―下旬に結果が出るので、まあ、はらはらどきどきです。
認知行動発達機構の准教授と特任助教の公募を開始しました。いずれも11月30日締め切りです。私は生理研への赴任後15年弱の間、准教授なしでやってきましたが、今回、助教に振り替えていたポジションが空きましたので、公募をすることになりました。研究内容は「霊長類を用いた運動制御の中枢神経機構、脳・脊髄損傷後の機能回復機構、ブレイン・マシン・インターフェースの開発に関する基礎研究」です。主にサルを用いたシステム神経科学の研究者を求めます。任期は当初5年。再任評価を受けて通ればパーマネントになります。
他に数名の特任助教を求めています。ひとつは部門付きの特任助教で、研究所から給与が出ます(1名)。何か特定のグラントから研究内容を拘束されているわけではないですが、概ね「2光子レーザー顕微鏡やパッチクランプ法などの電気生理学的記録法を用いてげっ歯類や霊長類の中枢神経系の局所神経回路の動的気候を解明する研究」という内容の研究をしてくださる人が来てくれると良いなと考えています。任期は5年です。もうひとつは今年度から開始になった科学研究費補助金基盤研究(S)の「無意識の視覚―運動系によるサリエンシー検出機構の全貌」に関わる研究で任期は最長で平成27年3月まで。「霊長類の眼球運動を指標として、行動解析、電気生理学的記録法、機能的MRI法などを組み合わせて注意や視覚的意識の中枢神経機構の解明を目指す研究」といった内容の研究者を求めています(1−2名)。さらにもうひとつは脳科学研究戦略推進プログラム課題C「独創性の高いモデル動物の開発」に関わる研究で「霊長類の脳においてウィルスベクター等を用いて遺伝子発現を操作し、optogeneticsや神経経路選択的遺伝子発現調節法などを用いて高次脳機能の解明を目指す研究」という内容で研究をしてくださる人を平成25年3月までに任期で求めます(1−2名)。業績によってはポスドクでの採用の可能性についてご相談することがあります。実際の研究内容についてはご相談となりますが、これまで在籍してくれた助手・助教・特任助教は皆、ぐいぐい研究を引っ張って、途中から皆、独自のアイデアで研究を展開していってくれました。そういう意味で実力次第で独自の構想で自由度の高い立場を獲得していくことができます。これまで在籍した助手・助教7名のうち、既に6名は外部の研究所の部長や国立大学の准教授として皆活躍しています。このように今後の展開を考える方にとってはキャリアパスとして有利なポジションとして少なくとも機能してきたと思いますので、「我こそは」とお考えの皆さんの応募をお待ちしています。

 


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 伊佐 正 教授 
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