日 時 | 2015年12月18日(金) 12:10 より 13:00 まで |
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講演者 | 冨田 拓郎 先生 |
講演者所属 | 生理学研究所 心循環シグナル研究部門 |
場 所 | 山手3号館2階西 共通セミナー室 |
お問い合わせ先 | 乾幸二 (感覚運動調節研究部門 #7754) |
要旨 |
多くの体細胞において環境変化に対する応答・適応はその生存に必須であり、”増殖を伴う”表現型変化に依存する。一方で、心筋細胞のような増殖サイクルから抜け出した細胞においては組織のリニューアルは不可能でありながら、寿命を迎えるまで機能し続ける頑健性を有する。しかし心臓組織における各種ストレスに対する適応応答とその後の不全に至るメカニズムは未だ明らかにされていない。一般に、運動負荷や高血圧により心臓に対して負荷がかかると心臓は心筋の可逆的な肥大によりその機能を亢進させる。一方で慢性的な心臓に対する負荷は、線維化を伴う不可逆的な肥大・拡張により心不全に陥っていく。本セミナーでは、この心臓の適応応答と慢性時の心不全に至るメカニズムにおける、非選択的カチオンチャネTRPC3の関与およびその分子機構を最近の知見を交えながら紹介したい。 |