2022年度の研究会は、COVID-19の影響により大多数がWEB onlineと現地開催のハイブリッドの形式で行われました。2023年度途中からCOVID-19の影響は徐々に収まり、2024年度は18件の開催が予定されています。各研究会では,具体的なテーマに絞った内容で国内の最先端の研究者を集め活発な討論が行なわれており,これをきっかけとして新たな共同研究が研究所内外で進展したり,科学研究費補助金「特定領域」「新学術領域」が発足したりすることも多くなっています。たとえば,1994~1996年度に「グリア研究若手の会」として行なわれた研究会はその後,特定領域(B)「グリア細胞による神経伝達調節機構の解明」へと繋がり,その後「グリア神経回路網」の特定領域と発展しました。また,バイオ分子センサー関係の生理研研究会が2008年度から発足した特定領域研究「セルセンサー」に繋がりました。この他,2015年度に立ち上がった新学術領域研究「温度生物学」および「オシロロジー」も、生理研研究会が発足の足がかりとなったものです。また、毎年行われるいわゆるシナプス研究会や痛みに関する研究会は,それぞれの日本における研究者コミュニティを形成する上で大いに役に立っており,新分野の創成にも貢献しています。
生理学研究所の研究者コミュニティへの貢献、大学の機能強化への貢献の一環と して、2016年度には試行的に岡崎地区以外での生理学研究所研究会を1件開催しました。具体的には「心臓・血管系の包括的な機能統合研究」が九州大学にて開催されました。九州地区からの参加者多数で盛況であったことから、2017年度には2件、「脳の階層的理解を目指して」が東北大学にて、「ヒト脳イメージング研究会」が玉川大学にて開催されました2018年度には、名古屋地区ならびに東京地区で各1件、2019年度には大阪地区で1件開催されました。2021年度はCOVID-19遷延のため、仙台地区で1件ハイブリッド開催されました。2022年度は長野地区で1件、2023年度は鹿児島地区で1件開催されました。
研究会に関しても同じ内容で毎年開催されることの是非について討論されました。その結果2013年度開催申請分から下記のように公募要項を改訂しました。
1)研究会 :本研究会を通して,新分野の創成と新技術の創出を目指す比較的小人数(100名程度以内)の研究討論集会で,メンバーのうち少なくとも1名は生理学研究所の教授又は准教授の参加が必要です。(旅費の一部を支給します。)
2)期間:3日間を限度とします。
3)開催場所:自然科学研究機構岡崎地区において実施していただきます。なお,岡崎コンファレンスセンターを利用することができます。利用申込みに際しての詳細は,国際研究協力課共同利用係(電話 0564-55-7138(ダイヤルイン))に問い合わせてください。
4)研究報告書:研究会終了後,30日以内に提案代表者から所長へ提出していただきます。
5)その他:同一課題の研究会の継続は,3年で見直します。さらに継続をご希望される場合は,討論内容に新たな展開があることを求めます。
No. | 日付 | 内容 | 氏名 |
---|---|---|---|
5 |
2021年05月27日
: 2021年05月28日 |
【WEB開催】 TRPチャネル研究会:相互作用分子との協働が織りなす生理機能とその破綻による病態発現 |
代表者:内田 邦敏
(静岡県立大学・食品栄養科学部 環境生命科学科 生体機能学研究室)
担当者:富永 真琴
(生理学研究所)
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17 |
2021年07月16日
: 2021年07月17日 |
【WEB開催】 人工知能技術と科学の協調と展開 |
代表者:吉村 奈津江
(東京工業大学・科学技術創成研究院)
担当者:北城 圭一
(生理学研究所)
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8 |
2021年07月30日
: 2021年07月31日 |
生命を支える硫黄生物学の最前線 |
代表者:魏 范研
(東北大学・加齢医学研究所)
担当者:西田 基宏
(生理学研究所)
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6 | 2021年08月31日 |
【WEB開催】 温熱生理研究会 |
代表者:志水 泰武
(岐阜大学・応用生物科学部・獣医生理学研究室)
担当者:富永 真琴
(生理学研究所)
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2 | 2021年09月07日 |
【WEB開催】 構造情報を基盤とした膜機能分子の生理機能理解に向けて |
代表者:中條 浩一
(自治医科大学・医学部統合生理学部門)
担当者:久保 義弘
(生理学研究所)
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12 | 2021年09月08日 |
【WEB開催】 機能と構造の視覚科学研究会 |
代表者:鯉田 孝和
(豊橋技術科学大学・エレクトロニクス先端融合研究所)
担当者:吉村 由美子
(生理学研究所)
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4 |
2021年09月09日
: 2021年09月10日 |
【WEB開催】 上皮膜輸送の多様性・調和機構を基盤とする異分野融合研究の創出 |
代表者:五十里 彰
(岐阜薬科大学・薬学部)
担当者:古瀬 幹夫
(生理学研究所)
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23 |
2021年09月12日
: 2021年09月13日 |
【WEB開催】 運動・行動から紐解く脳神経回路発達メカニズムの異分野融合研究による解明 |
代表者:諸隈 誠一
(九州大学・大学院医学研究院)
担当者:鳴島 円
(生理学研究所)
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24 | 2021年09月15日 |
【WEB開催】 多様な視点から情動を捉え直す |
代表者:南 雅文
(北海道大学・大学院薬学研究院薬理学研究室)
担当者:揚妻 正和
(生理学研究所)
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14 |
2021年09月16日
: 2021年09月17日 |
【WEB開催】 細胞システム理解のためのシグナル応答原理解明の最前線 |
代表者:松田 知己
(大阪大学・産業科学研究所)
担当者:根本 知己
(生理学研究所)
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22 | 2021年09月16日 |
【WEB開催】 記憶・学習の多角的理解に向けたアプローチ |
代表者:林 悠
(京都大学・大学院医学研究科)
担当者:鳴島 円
(生理学研究所)
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11 | 2021年09月27日 |
【WEB開催】食の「満足感」を担う分子・神経基盤研究会 (食欲・食嗜好研究会) |
代表者:佐々木 努
(京都大学・大学院農学研究科)
担当者:箕越 靖彦
(生理学研究所)
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28 |
2021年11月05日
: 2021年11月06日 |
情動の脳科学的理解に基づく人文系学問の再構築 |
代表者:持橋 大地
(統計数理研究所・数理・推論研究系)
担当者:近添 淳一
(生理学研究所)
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13 |
2021年11月09日
: 2021年11月10日 |
シナプスの理解深化からの神経回路動態の再考 |
代表者:川口 真也
(京都大学・大学院理学研究科)
担当者:吉村 由美子
(生理学研究所)
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25 |
2021年11月11日
: 2021年11月12日 |
極限環境適応 |
代表者:金 尚宏
(東京大学・理学部)
担当者:榎木 亮介
(生理学研究所)
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27 | 2021年11月16日 | 新たなステージへと高度化するクライオ電子顕微鏡解析 |
代表者:岩崎 憲治
(筑波大学・生存ダイナミクス研究センター)
担当者:村田 和義
(生理学研究所)
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9 |
2021年11月18日
: 2021年11月19日 |
【WEB開催】 比較統合生理学的観点からの循環生理の解析 |
代表者:山田 充彦
(信州大学・医学部)
担当者:西田 基宏
(生理学研究所)
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20 |
2021年11月25日
: 2021年11月26日 |
【WEB開催】 脳・環境・臓器間ネットワークと社会性 |
代表者:松田 哲也
(玉川大学・脳科学研究所)
担当者:定藤 規弘
(生理学研究所)
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21 |
2021年12月02日
: 2021年12月03日 |
大脳皮質を中心とした神経回路:構造と機能、その作動原理 |
代表者:田中 康裕
(玉川大学・脳科学研究所)
担当者:窪田 芳之
(生理学研究所)
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18 |
2021年12月03日
: 2021年12月04日 |
力学系の視点からの脳・神経回路の理解 |
代表者:北野 勝則
(立命館大学・情報理工学部)
担当者:北城 圭一
(生理学研究所)
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10 |
2021年12月18日
: 2021年12月19日 |
【WEB開催】 運動器/代謝系連関による生体機能制御とその変容の仕組み |
代表者:岩部 美紀
(東京大学・大学院医学系研究科)
担当者:箕越 靖彦
(生理学研究所)
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16 |
2022年01月07日
: 2021年12月11日 |
行動の多様性を支える神経基盤とその動作様式の解明 |
代表者:関 和彦
(国立精神・神経医療研究センター・神経研究所)
担当者:南部 篤
(生理学研究所)
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19 |
2022年01月27日
: 2022年01月27日 |
【WEB開催】 脳神経倫理研究会 |
代表者:中澤 栄輔
(東京大学・大学院医学系研究科医療倫理学分野)
担当者:定藤 規弘
(生理学研究所)
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7 |
2022年01月31日
: 2022年01月21日 |
【WEB開催】 痛みの研究会 |
代表者:古江 秀昌
(兵庫医科大学・医学部神経生理部門)
担当者:富永 真琴
(生理学研究所)
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3 |
2022年02月04日
: 2022年02月04日 |
【WEB開催】 機能的神経回路の構築と動作を支える分子細胞基盤 |
代表者:吉田 知之
(富山大学・大学院医学薬学研究部)
担当者:深田 正紀
(生理学研究所)
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1 | 2022年02月24日 |
【WEB開催】 細胞の局所コミュニティ研究会 |
代表者:珠玖 仁
(東北大学・大学院工学研究科)
担当者:久保 義弘
(生理学研究所)
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15 |
2022年03月02日
: 2021年12月03日 |
幼・小児の成長期における脳機能と運動の発達に関する多領域共同研究 |
代表者:高草木 薫
(旭川医科大学・生理学講座・神経機能分野)
担当者:南部 篤
(生理学研究所)
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26 | 2022年03月28日 |
【WEB開催】 スポーツからみる 日常と非日常の神経生理学 |
代表者:宮崎 真
(静岡大学・学術院情報学領域)
担当者:戸松 彩花
(生理学研究所)
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