生理学研究所では大型設備として国内唯一の医学・生物学専用超高圧電子顕微鏡(H-1250M)を設置し,これを用いた共同利用実験を国内外から募集し実施しています。加速電圧1,000 kVの超高圧電子顕微鏡は分解能が高いことに加えて,数ミクロンを越える細胞のより深部まで観察することができるため,神経細胞の形態観察やトモグラフィーによる細胞内器官の三次元構造解析などを行なうことができます。現在この特徴を生かして,「生体微細構造の三次元解析」「生物試料の高分解能観察」「生物試料の自然状態における観察」の3つのテーマで共同研究を推進しています。運用開始以来全利用日数の大半を所外からの研究者が使用しており,1,000 kV級超高圧電子顕微鏡の医学生物学領域における国際センター的な役割を果たしています。2014年度も海外からの1件を含む11件の課題が採択され実施されています。2012年度にはデジタルカメラが導入され,電子線トモグラフィーによる生体組織の立体再構築が短時間で行なえるようになりました。