Joint Researches

共同利用研究

超高圧電子顕微鏡 共同利用実験 2015年度

 生理学研究所では大型設備として国内唯一の医学・生物学専用超高圧電子顕微鏡(H-1250M)を設置し,これを用いた共同利用実験を国内外から募集し実施しています。加速電圧1,000 kVの超高圧電子顕微鏡は分解能が高いことに加えて,数ミクロンを越える細胞のより深部まで観察することができるため,神経細胞の形態観察やトモグラフィーによる細胞内器官の三次元構造解析などを行なうことができます。現在この特徴を生かして,「生体微細構造の三次元解析」「生物試料の高分解能観察」「生物試料の自然状態における観察」の3つのテーマで共同研究を推進しています。運用開始以来全利用日数の大半を所外からの研究者が使用しており,1,000 kV級超高圧電子顕微鏡の医学生物学領域における国際センター的な役割を果たしています。2014年度も海外からの1件を含む11件の課題が採択され実施されています。2012年度にはデジタルカメラが導入され,電子線トモグラフィーによる生体組織の立体再構築が短時間で行なえるようになりました。

(1)生体微細構造の三次元解析
(2)生物試料の高分解能開発
(3)生物試料の自然状態における観察

2015年度採択表

No. 研究課題名 氏  名
1 超高圧電子顕微鏡観察法によるタンパク質巨大分子複合体の形成機構の解明 増村 威宏
(京都府立大院・生命環境)
2 昆虫細胞内共生細菌の特異なチューブ様微細構造の解析 中鉢 淳
(豊橋技術科学大・エレクトロニクス先端融合研究所)
3 網膜神経節細胞間の電気シナプスの機能と三次元形態構造の対応 日高 聡
(藤田保健衛生大・医)
4 超高圧電子顕微鏡を用いた細胞骨格・オルガネラ・細胞壁ダイナミクスの解析 唐原 一郎
(富山大院・理工)
5 組織化学的手法を応用した細胞小器官の三次元構造観察 臼田 信光
(藤田保健衛生大・医)
6 コンピュータトモグラフィー法によるラット脊髄神経化学解剖の3D解析 坂本 浩隆
(岡山大院・自然科学)
7 原生生物等の細胞内共生生物と染色体の微細構造解析 洲崎 敏伸
(神戸大院・理)
8 酢酸菌の合成するセルロースフィブリルの3次元構造解析 峰雪 芳宣
(兵庫県立大院・生命理学)
9 遠心性入力による嗅球神経回路調節の形態学的解析 樋田 一徳
(川崎医科大・解剖)

過去の採択一覧・成果