Joint Researches

共同利用研究

生体機能イメージング共同利用実験 2018年度

生体機能イメージング共同利用実験(2011年度までの磁気共鳴装置共同利用実験と生体磁気測定装置共同利用実験を統合。)

  生理学研究所の大型生体機能イメージング機器は磁気共鳴装置と脳磁場計測装置があり,2011年度まではそれぞれ独立して共同利用実験申請を受け付けて審査していました。しかし,両方の機器を使用する利用者が多いこと,また審査を共通にする方が効率的であることから,2012年度からは両共同利用実験を統合して生体機能イメージング共同利用実験とすることが決定されました。2017年は31件が実施され、2018年度には34件の実施が予定されています。
   磁気共鳴装置については「生体内部の非破壊三次元観察」と「生体活動に伴う形態及びエネルギー状態の連続観察(含む脳賦活検査)」というそれぞれ2つの研究テーマを設定し募集しています。2000年度に導入され2017年度まで共同利用に供していた装置は3テスラという高い静磁場により通常の装置(1.5テスラ)に比較して2倍の感度をもち,特に脳血流計測による脳賦活実験においては圧倒的に有利でした。また,特別な仕様を施してサルを用いた脳賦活実験をも遂行できるようにした点が,他施設にない特色でした。さらに,実験計画,画像データ収集ならびに画像統計処理にいたる一連の手法を体系的に整備してあり,単に画像撮影装置を共同利用するにとどまらない,質の高い研究を共同で遂行できる環境を整えて,研究者コミュニティのニーズに応えようとして来ました。さらに,2010年度には3テスラ装置2台を連動させ,コミュニケーション時の脳活動を計測が可能なdual systemを導入し,社会脳の研究への大きな貢献とともに新たな研究分野の開拓が期待されています。2014年度には,ヒト用の7テスラという極めて高い磁場を持つ磁気共鳴装置が導入され,2015年度稼働開始しました。2017年度は、撮像と画像処理に関する技術的検討・開発のための共同利用実験に供することとなり、2 件を、2018年度は5件を採択しました。安定な稼働が確実となり次第,広く共同利用実験全般に供します。
 生理学研究所は1991年度に37チャンネルの大型脳磁場計測装置(脳磁計)が日本で初めて導入されて以後,日本における脳磁図研究のパイオニアとして,質量共に日本を代表する研究施設として世界的な業績をあげてきました。同時に,大学共同利用機関として,脳磁計が導入されていない多くの大学の研究者が生理学研究所の脳磁計を用いて共同利用研究を行ない,多くの成果をあげてきました。現在,脳磁計を共同利用機器として供用している施設は,日本では生理学研究所のみです。2002年度には基礎脳科学研究用に特化した全頭型脳磁計を新たに導入し,臨床検査を主業務として使用されている他大学の脳磁計では行ない得ない高レベルの基礎研究を行なっています。脳磁計を用いた共同利用研究としては「判断,記憶,学習などの高次脳機能発現機序」「感覚機能及び随意運動機能の脳磁場発現機序」という2つの研究テーマを設定し募集しています。また今後は,他の非侵襲的検査手法である,機能的磁気共鳴画像(fMRI),経頭蓋磁気刺激 (TMS),近赤外線スペクトロスコピー(NIRS)との併用をいかに行なっていくが重要な問題になると思われます。
 

  • (1) 磁気共鳴装置(MRI)
    • ① 生体内部の非破壊三次元観察
    • ② 生体活動に伴う形態及びエネルギー状態の連続観察(含む脳賦活検査)
  • (2) 生体磁気計測装置(MEG)
    • ① 判断,記憶,学習などの高次脳機能発現機序
    • ② 感覚機能及び随意運動機能の脳磁場発現機序

2018年度採課題一覧

区分 研究課題名 代表者氏名 使用機器
1 情動制御における内側前頭皮質機能の解明 筒井 健一郎
(東北大学・大学院生命科学研究科)
MRI
2 曖昧視知覚の不安定化をもたらす脳内情報処理の解明 浦川 智和
(東京理科大学・理学部)
MEG
3 顔から笑いを抽出する脳内メカニズムを反映する脳活動の特性 三木 研作
(日本赤十字豊田看護大学・)
MEG,EEG
4 呼吸誘発性脳血流変化による体性感覚認知への影響 中田 大貴
(奈良女子大学・研究院生活環境科学系)
MEG
5 知覚・記憶・注意とその相互作用に関する脳磁場信号の計測 野口 泰基
(神戸大学・大学院人文学研究科)
MEG
6 共同運動課題時の複数名同時脳活動計測:コミュニケーション形成の神経的基盤を探る 阿部 匡樹
(北海道大学・大学院教育学研究院)
MRI
7 dual-fMRI を用いた社会的交流における受容行動の神経基盤 荻野 祐一
(群馬大学・医学部附属病院)
MRI
8 7テスラMRI装置における8チャネル並列送信技術の開発 田中 啓治
(理化学研究所・脳科学総合研究センター)
MRI
9 語用論的解釈の神経基盤-発話における意図的不調和の処理過程に着目して 松井 智子
(東京学芸大学・国際教育センター)
MRI
10 社会的報酬および罰が運動パフォーマンスに及ぼす影響の神経機構の解明 中山 義久
(東京都医学総合研究所・脳機能再建プロジェクト)
MRI
11 表情と音声による視聴覚情動知覚の文化差を生み出す神経基盤 田中 章浩
(東京女子大学・現代教養学部)
MRI
12 ぬれ感覚の脳内形成機序の探索 永島 計
(早稲田大学・人間科学学術院)
MRI
13 赤ちゃん型ロボットとの触れ合いによって惹起される神経基盤の解明 加藤 健治
(国立長寿医療研究センター・健康長寿支援ロボットセンター)
MRI
14 磁気共鳴画像を用いた、日本人英語学習者・外国人日本語学習者の第二言語習得メカニズムの探求 笠井 千勢
(岐阜大学・地域科学部)
MRI
15 7T fMRIを用いた協力の神経基盤としての未右頭頂側頭接合部の役割の解明 高橋 英彦
(京都大学・大学院医学研究科)
MRI
16 脳波・機能的MRI同時計測法を用いた睡眠覚醒機構の解明 麻生 俊彦
(京都大学・医学部附属病院)
MRI,EEG
17 脊髄損傷後の非ヒト霊長類の中枢回路の大規模再編過程の7T MRIによる解析 伊佐 正
(京都大学・大学院医学研究科)
MRI
18 経済実験と非侵襲脳活動イメージングによる言語が社会効用に与える影響の解明 山田 克宣
(近畿大学・経済学部)
MRI
19 課題正解率を変える呼吸と脳活動の相互作用の解明 中村 望
(兵庫医科大学・大学院医学研究科)
MRI
20 ヒト聴覚野における雑音下の音信号処理 岡本 秀彦
(国際医療福祉大学・医学部)
MEG
21 MEGを利用した聴覚時空間的脳活動の検討 田中 慶太
(東京電機大学・理工学部)
MEG
22 多義性効果と意味密度効果の脳波・脳磁場計測を用いた検証 日野 泰志
(早稲田大学・文学学術院)
MEG,EEG
23 抹消神経線維の選択刺激法の確立と脳反応の計測 和坂 俊昭
(名古屋工業大学・大学院工学研究科)
MRI,MEG,EEG
24 片側高度感音難聴患者における聴覚誘発脳磁場反応の周波数特性 高橋 真理子
(名古屋市立大学・医学部)
MEG
25 音圧変化に対する自動脳応答 元村 英史
(三重大学・医学部附属病院)
MEG,EEG
26 時間、空間、音声の知覚に共通するチャンネル間処理の解明 森 周司
(九州大学・大学院システム情報科学研究院)
MEG
27 クロスモーダルな感覚情報の脳内表現様式の解明 宮脇 陽一
(電気通信大学・大学院情報理工学研究科)
MRI
28 3次元シネ位相コントラスト磁気共鳴法の基礎的検討 磯田 治夫
(名古屋大学・脳とこころの研究センター)
MRI
29 眼球運動の機能的ネットワークの解析 三浦 健一郎
(京都大学・大学院医学研究科)
MRI
30 神経アミノ酸マッピングのための化学シフトイメージングの確立 梅田 雅宏
(明治国際医療大学・医学教育研究センター)
MRI
31 MRIを用いた大脳基底核新経路の検証 吉田 篤司
(理化学研究所・ライフサイエンス技術基盤研究センター)
MRI
32 創造的修辞表現生成に関わる神経ネットワーク・認知メカニズムの解明 寺井 あすか
(公立はこだて未来大学・システム情報科学部)
MRI
33 主観的時間経験に依存した経済的意思決定における衝動性・自己制御の調節機構 地村 弘二
(慶應義塾大学・理工学部)
MRI
34 脳磁図による運動視知覚の神経基盤の解明 今井 章
(信州大学・学術研究院人文科学系)
MEG

過去の採択一覧・成果

■ 磁気共鳴装置 共同利用実験
(2011年度まで)

■ 生体磁気計測装置 共同利用実験
(2011年度まで)