ご挨拶

2012年12月U   伊佐 正 

                                         今年もあと少し・・・(2)

大型研究費の審査とその後のフォローアップをしていて、良く話題になるのは「選んだ側にも責任がある」ということだ。選ばれた人が、その研究費を使ってあまり良い成果が出せなかった場合、やはり選んだ側の目に狂いがあったという事になる。選考が終わった後は、もはや単なる評価者というよりは選ばれた研究者の良き応援団になって我慢強く支援し続けなくてはいけない。
同様な「選んだ側にも責任がある」は社会の色々な場面・人間関係にも当てはまる。先生と生徒、夫婦関係・・・研究の世界でも、自分が選んだスタッフ、入る研究室を選ぶ学生。そこで常に問題になるのは、事前にどれだけの情報がavailableであるか、ということだ。しかし、本当は事前に十分な情報を集めることも、選ぶ側の責任である。
国政選挙が終わって、新しい政権が誕生した。このような昂揚感をこの10年間か、国民は何度か味わってきた。新政権の支持率はいつも高い・・・・がすぐにそれが失望に変わる。私は国政選挙についても、選んだ側にも責任がある、ということを声を大にして言いたい。勿論、我々は一旦権力を付託した後は、圧倒的に無力なので、選挙の際にしか、力を発揮する機会を与えられてはいないのだが、世論調査のたびに短期的に「民意」が大きく振れ、それに政治家が振り回されるのも、大きな問題である。やはり、それなりの覚悟を持って我々も投票をすべきであるし、選ばれた人もそれなりの覚悟で政治に当たる、という大人の関係であってほしい。そして日本が長期的な展望で、本当に大事なものが大切にされる社会であってほしいなと思う。
今年はこれで終わり。良い年をお迎えください。



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 伊佐 正 教授 
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